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Q&A

株で借金をしてしまったのですが自己破産できますか?

  • 文責:所長 弁護士 田頭博文
  • 最終更新日:2025年5月21日

1 株式投資のためにした借金の自己破産の可否

配当益や値上がり益を見込んで株式の購入、運用をする方はたくさんいらっしゃるかと思います。

余裕資金で購入した株式を保有しているという場合であれば、他に免責不許可事由がなければ自己破産をすることは問題ないと考えられます(ただし、多くの場合株式は換価され返済に充てられます)。

しかし、株式を購入するために借金までし、その借金が返済できなくなったという場合には、自己破産をしても免責が許可されない可能性が出てきます。

ただし、反省の度合いや再発防止のための取り組み状況によっては免責の許可が得られる可能性は十分あります。

以下、自己破産における免責不許可事由と、免責許可を得るためにすべきことについて説明します。

2 自己破産における免責不許可事由

破産法第252条第1項には、自己破産をしても免責が許可されない事由が列挙されています。

そして、破産法第252条第1項第4号には、「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」が免責不許可事由として定められています。

株式への投資のために借金をしたことは、一般的にこの免責不許可事由に該当することになります。

(免責許可の決定の要件等)

第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。

(第1項~第3項略)

四 浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

(第5項以下略)

参考リンク:e-Gov法令検索(破産法)

3 免責許可を得るためにすべきこと

株式に投資するために借金を作ってしまった場合には、免責が許可されない可能性がありますが、裁判所が「破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認める」場合には、免責の許可を得られる旨が破産法第252条第2項に定められています(いわゆる「裁量免責」)。

裁量免責を認めるか否かは、破産制度の目的のひとつでもある、債務者の方の経済的更生を実現できるか否かによって判断されると考えられます。

そこで実務においては、貸金業者等の債権者に対する反省文や謝罪文を作成・提出したり、家計簿を作成している旨を示すといったことをします。

また、もし投資がギャンブル依存症に基づくものであるのであれば、病院などの専門機関で治療を行っていることを説明することも大切です。

【参考条文】

(免責許可の決定の要件等)

第二百五十二条

(第1項略)

2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。

(第3項以下略)

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